図書館情報学と学術情報評価について

知識科学主専攻 202311466 清宮亮太郎


図書館情報学とは

図書館学に情報学が付け加わった研究領域.図書館学が中心とする図書館にかかわる諸現象, [中略] に加えて,情報やメディアの性質,それらの生産から蓄積,検索,利用までの過程を対象とする. [中略] 1990年代半ば以降,インターネットの広がりとともに情報量が拡大を続ける中で,図書館情報学のコア領域や境界に関する議論も進められている.(日本図書館情報学会用語辞典編集委員会, 2020)

  • 図書館情報学と学術情報評価の関係は?


本発表で紹介する文献

Zhao, Andreas「Intellectual Structure of Information Science 2011–2020: An Author Co-Citation Analysis」

取り上げる理由

1. 図書館情報学についての学術情報評価(計量書誌学的手法)を用いた研究

2. 研究内容自体が図書館情報学の中での学術情報評価の位置付けに関わる


全体像

  • 図書館情報学全体の引用構造の分析

  • 因子分析をして各個別分野を特定

  • 分析結果のネットワークをグラフ化


研究方法

データ収集

  • Web of Scienceの図書館情報学コアジャーナルから論文をダウンロード

  • 「Scientometrics」→「Journal of Informetrics」に入れ替えたデータも使用

分析手順

  1. 2011-2015と2016-2020の5年期間に区切り
  2. 各期間で最も引用された研究者を150人程度特定
  3. 共引用行列を作成(中国人、韓国人名は除外)
  4. 主成分分析を行い、11の因子を選択
  5. 二部ネットワークグラフを作成

bg w:30em


結果


bg


bg


bg fit


まとめ

図書館情報学全体は2つの領域に大別される:

1. 知識ドメイン分析領域(Knowledge Domain Analysis camp; KDA camp)

2. 情報検索領域(IR camp)

  • 学術情報評価はKDA内で主要な位置を占めている

  • 他分野との相関に関しては、IR領域との関係性が年々薄くなっている傾向になる(分野間の越境が少なくなっている)


参考文献

  • 日本図書館情報学会用語辞典編集委員会. 図書館情報学用語辞典. 第5版, 丸善出版, 2020.

  • Zhao, Dangzhi, Strotmann, Andreas. Intellectual structure of information science 2011–2020: an author co-citation analysis. Journal of Documentation. 2022, vol. 78, no. 3, p. 728–744.

  • Efe, Kemal & Raghavan, Vijay & Lakhotia, Arun. (2004). CONTENT AND LINK STRUCTURE ANALYSIS FOR SEARCHING THE WEB. 10.1142/9789812562432_0020.


まとめ(再掲)

図書館情報学全体は2つの領域に大別される:

1. 知識ドメイン分析領域(Knowledge Domain Analysis camp; KDA camp)

2. 情報検索領域(IR camp)

  • 学術情報評価はKDA内で主要な位置を占めている

  • 他分野との相関に関しては、IR領域との関係性が年々薄くなっている傾向になる(分野間の越境が少なくなっている)